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京都大学乳腺外科の紹介

京都大学乳腺外科の紹介

はじめに

乳がんは、年々増加傾向にあり、2000年頃から女性に発生するがんのトップになり、その後急速に増加しています。従って、乳がんという病気への関心は極めて高くなっています。

花の写真乳がん診療は急速に進展しています。診断技術や治療方法は年々改善され、全体の治療成績も格段によくなりました。
今後もこの大きな流れは変わらず、さらに多くの新しい診断法や治療法、あるいは予防法が実地臨床に導入されると考えられます。

京大乳腺外科はこの先端部を担い、先進的乳がん診療を推進し、同時に、安心感のある医療‘ひとりひとりにやさしい信頼の医療’を実践することを心がけています。

信頼される医療の提供

新しい技術や手法は時に脆弱な点を含みますから、慎重に吟味をした上で臨床に導入することが大切ですが、その一方で、進歩を確実に実地診療に加えていく必要があります。
先進的な医療を迅速かつ安全に提供するためには、信頼に足る知識や技術を有する専門性の高いスタッフが良識に鑑みながら医療を実践することが重要と思います。

集学的医療の提供

京大病院では、各分野の専門家から成るチームにより、集学的医療を実践しています。
乳がん治療は、手術療法・薬物療法・放射線療法といった治療法を適宜組み合わせて行う集学的治療が基本であり、それにより飛躍的に治療成績が向上します。
各領域の専門家間の密な連携によるチーム医療は何より大切です。また、そうしたチームの中で協調性を保ち、信頼される医療を提供できる専門家の育成にも力を入れています。

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個別化医療の提供

個々の乳がん患者さんに最適な治療の提供を絶えず心がけています。

乳がんは多様な病態をみせる病気です。ひとりひとりの性格が異なる様に、乳がんの性質もひとりひとりで異なります。
したがって、乳がんに対して画一的な治療は適切とは言えず、個々の乳がんに適した診断や治療を行わなければなりません。

最近の研究はそれを少しずつ可能にしています。たとえば、従来は乳房温存手術といえども一律に切除する範囲を決めておりましたが、近年は画像診断技術の進歩により必要な範囲を必要なだけ切除することが可能となりました。

花の写真薬物療法では、様々な治療法が存在しますが、ホルモン受容体やHER2受容体発現の状況などがんの性格から、個々に適した治療法を選択することが可能になっています。さらに、様々な分子診断技術の進歩により、余分な治療を回避することもできるようになりつつあります。
個々のがんに最適な治療は何か、ということを常に考えながら治療にあたっています。

低侵襲性医療の提供

治療成績を下げることなく可能な限り患者さんの負担を減らす、低侵襲性の医療の実現に向け、努力を行っています。
手術における切除範囲の最小化や薬物療法時の毒性の軽減に取り組み、新しい薬物運搬システム(DDS)の開発にも力をいれています。

これらにより、治療の最大恩恵を最低限の侵襲で受けるようにできればと考えています。

整容性の高い治療

なるべく美しく整容性高く乳房を温存する、乳房全体を切除する場合には乳房再建手術を行って可能な限り美しい乳房をつくることに力を入れています。形成外科と密接に連携して共同で対応しています。
また、腋窩についても温存する、腕のむくみがなるべくおきないように努めています。

トータルライフケアの提供

いま、乳がんは女性のライフサイクル病として考えられるようになっています。他のがんに比べ、若い女性が罹患し、その治療は長期に及びます。
特にホルモン療法は、5年あるいは10年を要し、長期にわたる経過観察、気の長い病気との付き合いが求められます。
治療に伴う副作用を早く見つけて適切に対応することが大切ですし、乳がんはしばしば両側に発生することがありますから、その定期的なチェックも欠かせません。
こうした、治療のみならず幅の広いケアを長期にわたって提供する、トータルライフケアを実現できるよう心がけております。

花の写真乳がんは、早期発見・早期診断・早期治療につきます。早く見つけて、適切に治療を行えれば、多くの乳がんはコントロールが可能な病気です。
乳がんの方もそうでない方も、このホームページを見て、乳がんという病気に対する理解を深めていただければと願っています。

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