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しこりや異常を感じる方|患者さんへ

乳房に以下のような症状のある方はすぐに専門病院を受診しましょう。

  1. しこりのある方
  2. 検診のマンモグラフィで異常(しこりや石灰化など)を指摘された方
  3. 異常な乳汁分泌のある方
  4. 乳房の皮膚が赤い方
  5. 乳頭の皮膚がただれている方
  6. わきの下にしこりがある方
  7. それ以外の症状でも、これまでとは違うこと
ここからはキーワードをあげながら、乳腺の診療についてご説明します。

キーワード1:症状がある≠乳がん

先に述べたような症状がある方は乳腺を専門とする病院でみてもらいましょう。

なぜ、すぐに病院にいくのかと思われる方もあるかもしれません。本当に今の症状が異常なのか?異常がある場合はそれが乳がんによるものなのか?判断する必要があります。

キーワード1は、何らかの症状があるからといって、その全てが乳がんではなく、それを心配しながら日々を過ごすよりも、早めに、その症状について診断し、原因を知りましょう、という意味をこめています。

◆ 検査法はいくつかあります
  1. 問診
  2. 視触診
  3. マンモグラフィ検査
  4. 乳腺超音波検査
  5. 乳汁分泌細胞診検査
  6. 乳頭分泌液CEA測定
  7. 乳腺MRI検査
  8. 乳腺CT検査
  9. PET検査
  10. 乳管造影検査
  11. 穿刺吸引細胞診
  12. 組織診

などです。最初からこれらの検査をすべて受けるわけはありません。病状などにより、必要と思われる検査を適宜受けていただくことになります。 (検査の詳しい内容は「乳がんについて」の項目に書いてありますので参考にしてください)。

通常、この中のいくつかの検査を行い、その結果をもとに診断を確定していきます。

キーワード2:視触診、画像検査と病理検査を組み合わせて診断する

診断は非侵襲的な方法からはじめて、最終的には侵襲的な方法で診断をつけます。
平たく言えば乳房に最小限の傷もしくは極力傷を残さず診断をつけることです。
ですから、乳腺の診断をつけるにはいろいろな検査を組み合わせることが重要です。

(写真:乳腺超音波検査機器)
(写真:乳腺超音波検査機器)

順序としては視触診、マンモグラフィ、超音波による検査を行い、乳房に異常が存在するのかどうか、すなわち存在判断を行います。
その後、 詳細に調べる必要があれば乳房MRI検査などを行います。

ここまでは非侵襲的な検査です。

さらに、乳がんやその他の悪性病変が疑われる 場合には、乳腺穿刺細胞診、組織診等の検査を 行い、良性か悪性かの質的診断を行います。

これらは侵襲的な方法になります。

(写真:細い針を用いた乳腺穿刺細胞診装置)
(写真:細い針を用いた乳腺穿刺細胞診装置)

病理検査の役割は非常に重要です。なぜなら、病変を直接見て診断するからです。
病理検査でよく用いられるのが乳腺穿刺吸引細胞診と針生検ですが、どちらも長所と短所がありますので、適宜症例によって使い分けます。

診断を確定するためには、腫瘍の組織をきちんととる、生検することが大切です。

京大病院では組織生検を行うさいに、超音波でみながら、マンモトームという機器を用いて組織の採取を行っています。
なるべく一度の検査で組織検査を行うためです。
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キーワード3:乳腺疾患の診断において複数の専門家で判断することも大切です

最後のキーワードは診断が困難な症例において最も重要です。

京都大学病院では乳がんや一部の良性のしこりも含みますが病理検査をした全ての症例について、 毎週、乳腺外科医、放射線画像診断医、病理診断医、放射線技師、病理技師などの複数の領域や職種を超えた人たちが集まり 診断を検討しています。
さらに、同じ症例を複数回にわたり検討することもあります。

複数の専門家が、複数回、みることでより正確な診断が可能になります。

(写真:京大病院の症例診断カンファレンス)

(写真:京大病院の症例診断カンファレンス)

キーワード4:診断は治療に直結する

診断の結果は治療に直結します。悪性か良性かにより、その後の治療が異なるのは当然ですが、悪性の場合には、腫瘍の拡がり、特に乳腺の中をどれほど広がっているかも重要な意味をもちます。例えば、手術で切除しようという場合、病変の拡がりは切除する範囲に大きく影響するからです。

また、リンパ節などへの転移の状況は全身の治療を優先するかどうかの判断にも、大きく影響します。

キーワード5:乳がんの手術は低侵襲になっている

最近の乳がん手術は乳房温存療法が主体です。乳房を全切除する手術は大きく減りました。
現在は、さらに手術の低侵襲化が進んでいます。
より小さな切除で、より小さい傷で、麻酔も低侵襲なものになっています。

京大病院ではデイサージェリーの専用ユニットを設け、縮小・低侵襲の時代の乳がん治療に適切に対応できるよう、体制を整えています。

(写真:デイサージェリーユニットと内部の風景)

(写真:デイサージェリーユニットと内部の風景)

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